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【医師監修】PET

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このページでは人間ドックでの検査項目の一つPETの内容や検査の流れを紹介しています。

がん細胞の性質を利用したPET検査

PETとはPositron Emission Tomogoraphyの略で「陽電子放射断層撮影」のことです。ブドウ糖によく似た成分(FDG)に放射性物質を結合したものを注射し、それが発する放射線を特殊なカメラで外部から画像化します。

診察室がん細胞は通常の細胞より増殖スピードが早く、正常細胞に比べて3~8倍のブドウ糖を取り込むという性質を利用し、「がん細胞に目印をつける」というのがPET検査の特徴です。

CTやMRI、超音波エコーは、形状でがんを発見するものですが、一度に広範囲の検査が可能なことや、良性・悪性を鑑別でき、がんの広がり具合がわかるなどの利点もあります。

そのため、PET検査が利用される目的としては転移などのがん病巣がどれだけ広がっているかを知ること、がんが再発しているかどうかを検査することが挙げられます。再発がんにおいてはブドウ糖の代謝が促進されているため、数mmの大きさでも発見できることがあります。

部位によって見つけやすいがん・見つけにくいがんもあるため、他の検査との併用を前提として専門の医師に相談するようにしましょう。

参照元:がん検診ガイドラインマイナー改定版
https://jcpet.jp/.assets/FDG-PETがん検診ガイドライン2019版.pdf

◇人間ドックでのオプション価格の費用相場(2018年編集チーム調べ)
80,000円~150,000円程度

PET検査の注意点

PET検査に関しては、早期がんの発見などが謳われていることも多く、情報が錯綜しています。注意点を把握し、必要に応じて検査を受けるようにしましょう。

胃や食道、肺などの早期がん発見が難しい

早期の肺がんなどは、PETで用いられるFDGががん細胞に集まりにくいとされています。肺がんであれば胸部CT、胃がんや食道がんであれば内視鏡検査など、PETよりもがんを発見しやすいとされる検査が存在します。特に消化器官のがんは、粘膜表面に広がっていくのが特徴でブドウ糖などを必要としていません。このため、PET検査では早期の発見が難しいとされています。

脳や肝臓、腎臓などFDGが集まりやすい早期がん発見が難しい

胃や食道などと異なり、脳や肝臓などは逆に放射性物質であるFDGが集まりやすいためにPETでの早期発見が難しいとされています。マスコミの誇大広告によって、PETが全てのがんの早期発見に有効という風潮が広がっていますが、がん検診ガイドラインではPETの有効性について警鐘を鳴らしています。

血糖値が高いと診断が難しい

PET検査はブドウ糖に近い成分であるFDGを静脈に注射して検査するものですが、そもそもの血糖値が高い場合は診断能が低下することがあります。糖尿病などの症状がある方は事前に医師に相談するようにしましょう。

PET検査結果の見方

PET検査は、いわばがんの早期発見をするための検査です。PET検査を受けることで、自覚症状がない初期の段階でもがんを発見できる可能性が高いと言われています。しかし、全身の腫瘍をチェックできるPET検査でも、すべてのがん細胞を発見することは容易ではありません。そのため、CTやMRIと併用してがんの位置や大きさを調べるのが一般的です。

PET検査で「異常」と判断されるケース

画像で見たときに、不自然な位置に黄緑色、あるいは赤色をした光の集積があった場合、異常ありと判断されます。例えば、大腸あたりがぽつぽつと光っている場合は大腸がんの可能性あり。脊髄のあたりでぼんやりと光っている場合は脊髄に転移している可能性があります。

PET検査で「正常」と判断されるケース

PET検査で正常だと判断されるのは、「ブドウ糖を多く取り込む臓器だけがマーキングされている」状態のときです。

ブドウ糖を多く消費する脳や心臓、体内から排出される検査薬が溜まりやすい泌尿器科系や肝臓は、PETで大きく反応してしまいます。これらの器官はほとんどの場合、黄緑や赤の光で包まれています。

PET検査では見つけられないがんもある

PETは、常にブドウ糖が集まる脳や心臓、泌尿器科、肝臓といった部位のがんを見つけるのは得意ではありません。臓器が正常に活動を続けているのか、異常にブドウ糖を多く取り込んでいる細胞があるのか、区別がつかないからです。

「PET検査で正常なら、がん細胞はない」とは言い切れません。PETは優秀な検査方法ではありますが、PETにもカバーしきれない部分があり、すべてのがん細胞を見つけられるわけではないのです。PETとCTの画像を同時に撮影できる「PET-CT」が登場していることからも分かるように、他の検査と併用する必要があります。

PET検査の流れ

ここからはPET検査の流れについて解説します。

※この流れは一般的な人間ドックのものです。クリニックによっては異なる箇所がありますので、詳細は受診されるクリニックにお問い合わせください。

1.検査前日

検査前日は夕食を食べても良いのですが、それ以降の食事は摂らないようにしましょう。基本的にPET検査を行う6時間前からは断食する必要があります。

飲み物は水やお茶であれば大丈夫ですが、ジュースやコーヒーなど糖分を含むものはNGです。ブドウ糖に似た薬剤を摂取し、体内の反応を見るためです。

2.当日の流れ

まずFDGという検査薬を注射あるいは経口で摂取します。がん細胞はブドウ糖に反応するので、スキャンすることでがんの病巣がわかるようになるのです。

注射後はFDGが全身に行き渡るのを待つため、30分~1時間ほど安静にします。何もしない状態で1時間くらいじっとしているのは辛いので、これだけ安静時間が必要なことは事前に頭に入れておきましょう。

安静時間の後は排尿をしてから、PET撮影を行います。撮影の手順としてはMRIと同じ要領です。検査台の上に仰向けになった状態で横になりドーナツ型のスキャナーの中を通過しながら、全身を撮影します。

ドーナツ型のスキャナーを通るときには少し不安や恐怖感があるかもしれませんが、痛みや苦痛などはほぼありませんので、リラックスして検査を受けてください。

3.検査後

全身の断面図から診察結果が出ますので、医師から画像を見せてもらいながら説明を受けます。ただし、FDGが全身に行き渡らずに鮮明に画像が撮影できなかった場合は、再度撮影することも有り得ます。

検査後は食事や飲み物などの制限は特にありませんが、FDGが体外に排出されるまでには1日程度かかります。FDGには放射線物質が含まれているため、妊婦や乳幼児への接触は極力避けてください。尿にはFDGの成分が含まれているので、排尿をしたあとはいつも以上に入念に手を洗うようにしてください。

数日後、写真とともに診断結果がわかります。ここで異常が見つかった場合は、精密検査や処置などを勧められます。

監修医情報:
若杉慎司先生
(東京人間ドック
クリニック)
監修医情報 東京人間ドッククリニック    

人間ドック専門クリニックだからこそ、「効率的な検査を実施して短時間の人間ドックを実現したい」と考えている若杉先生。日本外科学会認定医、日本消化器外科学会認定医、日本医師会認定産業医、日本人間ドック学会認定医などの資格を持っています。

監修医情報:
三好勲先生
(東京人間ドック
クリニック)
監修医情報 東京人間ドッククリニック    

人間ドックは受けたら終わりというわけではなく、生活習慣を見直すスタートだと考えているのが、院長の三好先生です。検査当日には詳しい検査を行うのはもちろん、即日で結果のわかる検査は当日にフィードバック。生活習慣を見直すきっかけをつくれるように「ここを直すとこういう結果が出る」と、前向きな生活指導を心がけています。

問い合わせ先:03-5855-0590