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【年代別】女性が受けるべき人間ドックの検査項目

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女性にとって大切な器官、乳房と子宮。女性としても、子どもを産み育てるためにも、守りたいものであることでしょう。近年、はからずも病に冒され、大切な器官を失う女性が増えています。その最大の病こそ、がんです。今、日本では多くの女性が、今後の人生を守るために、乳房や子宮を失うという選択を迫られ、涙を流しています。その涙には、「もっと早くに検査を受けておけばよかった」という後悔が含まれます。この彼女たちが教えてくれている「早期発見・早期治療」の重要性を、すべての女性は自分のこととして考えていくことが、大切な乳房と子宮を守る術です。

女性に多い疾病のリスク

日本人女性で発症リスクの高い乳がん

日本人女性にもっとも多いがんは何か、ご存じでしょうか。

それは、乳がんです。日本で乳がんになる女性は、11人に1人と推計されています。元アナウンサーで歌舞伎役者の市川海老蔵さんの妻・小林真央さんも、乳がんで亡くなったことは、多くの女性の記憶に深く刻まれていることと思います。彼女が日々発信する闘病のブログからは、母親としても妻としても、愛情あふれるすてきな人柄が伝わってきました。温かな真央さんの思いをブログから受けとり、日本だけでなく世界の人が涙しました。その一方で、がんとはだれもが発症する可能性の高い病気であることを身にしみて感じた人は多かったと思います。

参照元:ピンクリボンフェスティバル「乳がんとは」
http://www.pinkribbonfestival.jp/about/

がんの発症原因について

なぜ、がんは誰もが発症する可能性の高い病気であるか、ご存じでしょうか。

それは、日々、私たちの身体のなかでは数千個というたくさんの数のがん細胞が生まれているからです。人の身体は、古い細胞が新しい細胞に入れ替わる「新陳代謝」をくり返すことで機能を保っています。新陳代謝は、細胞分裂によって行われるのですが、その際、遺伝子のコピーミスが生じる細胞がまれに生じます。

人体を構成する細胞は、諸説ありますが、約37兆個と推計されます。膨大な数の細胞分裂において、まれに起こるコピーミスも合計すれば1日に数千個という数に発展してしまうのです。

ただし、がん細胞すべてががん腫瘍に育っていくわけではありません。人の体内では、免疫という機能が働いていて、がん細胞を見つけるとただちにたたき殺してくれているのです。

ところが、加齢などで免疫機能が弱くなっていると、その働きをすり抜けて成長してしまうがん細胞が出てきます。一方で、がん細胞の成長を意図せず助けてしまうものも存在します。

これが年齢とともに発がんが増える原因です。

エストロゲンががんに与える影響

それ以外にもがん発症の原因はいろいろあります。女性の場合、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」がその一つとなります。

エストロゲンは、「女性をつくるホルモン」とも呼ばれ、女性特有の体つきや機能、美肌などに働くホルモンです。女性にとって大切はこのホルモンが一方で、がん細胞を刺激し成長を促すことがあるのです。

そのため、エストロゲンに長くさらされている人ほど、乳がんのリスクは高くなります。具体的には、初潮の早い人、閉経時期の遅い人、出産経験の少ない人などです。罹患率は20代後半から少しずつ増え始め、30代に急激に高まり、40代後半から50代にピークを迎えることになります。

一方、女性特有のがんの一つである子宮体がんも、エストロゲンの影響を強く受けます。乳がんの治療でタモキシフェンという薬剤を投与されていたり、更年期障害の治療でエストロゲンの補充療法を受けていたりする場合も、子宮体がんのリスクが高くなるとされています。

40歳代から多くなり、50歳から60歳代の閉経前後で発症のピークを迎えます。

さらに、女性特有のがんには、子宮頸がんもあります。子宮頸がんの最大の原因は、「ヒトパピローマウイルス(HVP)」というウイルス感染です。このウイルスは、性交渉によって子宮の頸部(子宮の下部にあって、膣とつながっている部分)に感染します。そのため、性経験のある女性の50~80%がHPVを子宮頸部に保有しています。決して人ごとではないのです。子宮頸がんの好発年齢は30代から40代です。ただ、最近の性経験の低年齢化によって、20代で発症する女性も多くなっています。

エストロゲンの分泌も性経験も、女性にとっては大切なことです。しかし、これらががん発症の原因になってしまうのだとしたら、女性はどうやって身を守ればよいのでしょうか。

  • 20歳を超えたら二年に一度子宮頸がん検診を受けること。
  • 50歳超えたらやはり二年に一度子宮体がん検診を受けること。

これが重要です。

参照元:ピンクリボンフェスティバル「乳がんとは」
http://www.pinkribbonfestival.jp/about/

女性におすすめしたい検査の内容

がんを遠ざけるためには、定期的に検査を受けることが重要です。

とくに女性特有のがんは、早期発見さえできれば、5年生存率の高いがんなのです。つまり、治療の効果の高い予後のよい病気だということです。早期発見・早期治療できれば、大切な乳房と子宮を自らの意志で守ることができるのです。

参照元:国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

年代別に受けるべき検査項目

20代から:子宮頸がん検査(子宮頸部細胞診)

子宮頸部にヒトパピローマウイルス(HPV)が感染すると、「異形成」という正常でない細胞が増えていきます。この異形成の細胞が増えてくるまで、感染から数年から数十年がかかります。なお、HPVに感染するとすべてが異形成を起こすのでなく、ほとんどのケースでは、免疫によってHPVは排除されます。ただし、免疫が排除しきれないこともあり、それが異形成の細胞を増やすことになるのです。その細胞が増えると、前がん状態がつくられます。この初期の段階で発見できれば、子宮頸部の表面を薄く切除する「円錐切除」という手術で治療できます。開腹せず、膣からの手術ですむため、予後も良好で、その後の性生活や妊娠に大きな不安を残さずにすみます。ところが発見が遅れると、そのぶん切除部分も大きくなり、さらに発見が遅れてがんが子宮にまで広がってしまうと、生命を守るために子宮を摘出する必要が出てきます。

検査では、膣のなかの状態を医師が診察する「内診」を行い、子宮や卵巣の状態を確認します。そのうえで、綿棒やヘラで子宮頚部を軽くこすり、細胞を採取します。この細胞を顕微鏡で観察すると、良性か悪性かがわかります。感染から異形成の細胞の出現まで数年から数十年かかるわけですから、性経験のある20歳以降の女性は1~2年に1回受診しておくと、万が一、がん化が起こったとしても、早期の段階で発見できます。

30代から:乳がん検診

乳がんの検診では、視触診が行われ、しこりがあるかどうかが確認されます。この検査で発見できるのはある程度の大きさのあるがんで、早期発見は難しくなります。そのため、精密な画像検査が必要になります。

乳がんは、腫瘍径が2cm以下であれば乳房温存手術を選択できる可能性が高くなります。現在、乳がんの検診で行われているのは、マンモグラフィとエコーです。

30歳代に適した検査

30代ではマンモグラフィは、レントゲンの特性により、しこりを発見しにくいという欠点があります。若い女性の乳房は乳腺が発達していて、レントゲンが通らず石灰化が写りにくいからです。そのため30代にはマンモグラフィはあまり意味がなく、乳腺エコー検査が適しているのです。

小さなしこりから診断でき、良性の乳腺症、繊維腺腫、乳腺のう胞も診断できます。乳房を挟み込むマンモグラフィのように痛みもないため、ストレスも少なくてすむでしょう。

40歳以降の乳がん検診

マンモグラフィは、乳房専用のレントゲン撮影による検査方法で、機械で乳房を挟み、石灰化のパターンを診ることで乳がんの有無を判断します。もっとも一般的な検査法で、自治体の検診で採用されているのも、マンモグラフィです。2年に一度受けることで早期に乳がんを診断する確率が高まります。

40代:胃カメラ(胃内視鏡)検査

胃がんの検査というと、以前は胃レントゲン撮影が一般的でした。この検査は、造影剤のバリウムと胃を膨らませる発泡剤を飲んで受けることになります。ただ、早期の胃がんの診断が困難なうえ、食道がんは診断しにくいなどの問題点も多く、現在は、胃カメラが主流になりつつあります。

胃カメラの検査では、口もしくは鼻から内視鏡を挿入し、食道と胃、十二指腸に病変がないかを調べていきます。胃カメラというと以前は口から内視鏡を入れるタイプが一般的で、「オエッ」となる嘔吐反射が起こり、とても苦しいというイメージがありました。そこで現在では、鼻から挿入する経鼻内視鏡を採用する医療機関が多くなっています。このタイプであれば、吐き気も起こらず、声も出せるので、医療者とコミュニケーションもとれます。

また、最近はより高性能胃カメラであるレーザー経鼻胃カメラを採用している医療機関もあります。レーザー胃カメラでは、胃がん、食道がんをより早期に診断でき、胃がんの原因菌であるピロリ菌によって起こされる萎縮性胃炎を正確に診断できます。胃カメラで発見できる胃がんや食道がん、咽頭がんなども早期発見できれば、予後のよい病気です。2年に1回の受診をおすすめします。

ピロリ菌検査

なお、ピロリ菌感染チェックを受けたことのない人は、この検査も受けましょう。もし感染がみつかった場合には、早めに除菌治療を受けることです。除菌は、抗菌薬(抗生物質)を一定期間飲むことで行われます。

胃がんは原因がピロリ菌に99%あります。40代で除菌すれば95%の胃がんを抑制できます。ところが、50代になると90%、60~70代になると80%以下と効果が落ちてしまいます。反対に20~30代までに除菌できたならば、かなり高い確率で胃がんを抑制できるのです。 現在、ピロリ菌は検査(胃カメラを受けた場合)も除菌も健康保険が適応されます。

参照元:hatapyロゴNPO法人 二十歳のピロリ菌チェックを推進する会「ピロリ菌が見つかったら」
http://hatapy.org/check/after.html

20代女性が受けたい人間ドック

20代女性が人間ドックを選ぶにあたり、検査項目として含んでいた方がよいものを紹介します。

  • 子宮頸がん検査
  • 定期健康診断(身長・体重・血圧・張力・視力・胸部レントゲン・血液検査など)

20代女性が受けるべき人間ドックをチェック>>

40代女性が受けたい人間ドック

40代女性が人間ドックを選ぶにあたり、検査項目として含んでいた方がよいものを紹介します。

  • 子宮頸がん検査
  • 乳がん検査
  • 胃カメラ
  • 標準人間ドック(基本的な検査、血液検査、胸部レントゲン、胸部・内臓脂肪CT、腹部エコー、心電図)

40代女性が受けるべき人間ドックをチェック>>

30代女性が受けたい人間ドック

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50代女性が受けたい人間ドック

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監修医情報:
若杉慎司先生
(東京人間ドック
クリニック)
監修医情報 東京人間ドッククリニック    

人間ドック専門クリニックだからこそ、「効率的な検査を実施して短時間の人間ドックを実現したい」と考えている若杉先生。日本外科学会認定医、日本消化器外科学会認定医、日本医師会認定産業医、日本人間ドック学会認定医などの資格を持っています。

監修医情報:
三好勲先生
(東京人間ドック
クリニック)
監修医情報 東京人間ドッククリニック    

人間ドックは受けたら終わりというわけではなく、生活習慣を見直すスタートだと考えているのが、院長の三好先生です。検査当日には詳しい検査を行うのはもちろん、即日で結果のわかる検査は当日にフィードバック。生活習慣を見直すきっかけをつくれるように「ここを直すとこういう結果が出る」と、前向きな生活指導を心がけています。

問い合わせ先:03-5855-0590